2011.03.16 Wednesday

東北地方太平洋沖地震【障害のある方への対応のお願い】

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
福岡にいる私たちにも、テレビや新聞、インターネットなどでさまざまな情報が入ってきておりますが、「障害のある人(災害弱者といわれている方)たちがどのような状況にあるのか?」という情報がなかなか入ってきません。
NPO法人まるでは、障害のある人たちが被災地での情報をできる限り集めており、現段階で以下のような情報が入っております。

1.被災地での救難活動が障害のある人を想定した対応があまりできていないようです。
2.通所・入所施設は閉鎖され、受け入れ先(親や家族など)がある方は自宅へ、
  受け入れ先がない方は近隣の避難所へ。避難所でのサポートは、
  施設職員やソーシャルワーカー、教員などが対応されているが、
  他の避難者とのコミュニケーションがうまく取れていないそうです。
3.特に関東地方では、開所可能な施設・作業所も多くありながら、
  ガソリンが不足しているため送迎ができなかったり、
  トイレットペーパーなどの生活必需品が底をついたりと通常開所できない状況だそうです。
4.知的・精神に障害のある方たちの情緒が不安定になられているケースも多いようです。

と、まだまだ細かな情報は集められていませんが、とにかく今私たちができることとして、まずは、障害のある人たちへの対応をお知らせしたいと考えました。


被災地での障害のある方への対応のお願い

障害のある人(災害弱者といわれている方)は、大地震やその他大きな災害が起こった時、状況を把握したり、避難所への移動が困難です。そのような時、みなさんの助けが必要です。

<災害時に障害のある人が困ること>
 ・正確な情報を受け取ることができません。(聴覚障害者や知的障害者など)
 ・周囲の状況が把握できません。(知的障害者など)
 ・電柱や塀の倒壊、道路の亀裂などがわかりません。(視覚障害者や知的障害者など)
 ・自分の意思をうまく伝えられません。(聴覚障害者や知的障害者など)
 ・パニックに陥ってしまうことがあります。
 ・避難場所まで移動できません。


<避難所等での生活が困難です>
 ・車椅子など肢体不自由者や視覚障害者は、避難者で混雑する状況では動きがとれず、
  トイレにもいけません。ご理解と援助をお願いします。
 ・正確な情報を教えてください。
 ・意思を伝えられない人がいますので、簡単なコトバで、
  文章は短く切ってやさしく話しかけてください。
 ・周囲の状況がわかりません。
 ・安全な場所までの避難ができません。
 ・車椅子を利用されている方や視覚に障害のある方は、移動できません。
 ・特に知的に障害がある方などは、奇声を発っしたりすることがありますので、
  避難場所での生活が困難です。


<避難誘導及び援助の方法>
1. 視覚障害者の場合
 ・「どこに逃げれば安全か」を教えてください。
 ・家の周りの状況を教えてください。
 ・避難場所まで誘導してください。
● 誘導の仕方
 ・肩や腕を貸す形で、半歩前を歩いてください。
 ・視覚障害者を押したりひっぱたりしないでください。
 ・誘導しているとき、周りの状況を伝えて下さい。
 ・方向を示す時は、時計の針の位置で伝えて下さい。
  (例えば、時計の文字盤による方向は、右は3時、左は9時、正面は12時と考えます。)


2. 聴覚・言語障害者の場合
 ・家に来られても、音や声ではわかりません。懐中電灯などで照らしてください。
  こちらは、笛を吹いたりして知らせます。
 ・ラジオの情報など教えてください。
 ・避難所で食事の配給などの音声情報が入りません。その内容を伝えて下さい。
● コミュニケーションの方法
 ・筆談(ひつだん、紙に書いて伝える)
  筆記用具がなければ、相手の手のひらに指先で文字を書いたり、
  空間にゆっくりとひらがなで字を書きながら口を大きく開いて、
  話しかけてください。
 ・読話(どくわ)
  あなたが話す形をみて、内容を理解します。私の顔を(正面を)見て、
  口を大きく開いてはっきりとゆっくり話しかけてください。
 ・手話(しゅわ)
  手の形や表情・動きを(身振り)中心に、身体全体でコミュニケーションを行う方法です。
  多くの聴覚障害者が使う方法です。覚えるとなかなか楽しい面もあります。
  講習会、手話サークルなどで、少しでも覚えていただけると大変助かります。
  その他、身振りで伝わる場合も多いです。また、話し手の表情も言葉のうちです。
 ・ファックスなど
  電話回線が使えるときは、ファックスで連絡をしてください。
  電子メールも有効な伝達手段のひとつです。

※ 全ての聴覚障害者が手話をするわけではありません。


3. 肢体不自由者(車椅子利用者など)の場合
 ・家が住めないような状態や火事にならない限り、在宅で過ごす人が多いと思われます。
  水や食料の配達をお願いします。
 ・エレベータが止まると、他の階に階段を使っていくことができません。援助者が複数必要です。
 ・車椅子の押し方や、避難の方法は、障害者(及び家族)と相談してください。

見た目では、ハンディがあるとわからなくても、呼吸器や内臓に疾患がある人や、
膀胱や直腸に障害のある人などもいます。そうした人が困っていたら、
緊急連絡先に連絡して、その後の対応に協力してください。


4. 精神障害者・知的障害者の場合
 ・パニックに陥っているときは、「大丈夫」「安心しなさい」とか、
  「助けに来たよ」と声をかけ、安心・落ち着かせてください。
 ・現在の場所にいることが危険な場合は、避難場所など、安全な場所まで連れて行ってください。
 ・話し方については、わかりやすく簡単なことばを使ってください。
  話は短く切って、一問一答のように確認しながら話してください。
 ・できるだけ早く、家族や施設・作業所に連絡を取ってください。


ご近所で見かけた障害者や高齢者の安否確認をしていただけると助かります。
障害者は、その障害の種別や程度によって、救助・支援の方法が異なります。
障害者本人と話し合うか(肢体不自由者や視覚障害者など)、
個人の情報を記せられた個人カードを持っている人もいます。(知的障害者や聴覚障害者など)



※ 杉並区障害者団体連合会が発表している<障害者からのお願い「大地震(災害)の時助けてください!」>を参考にさせていただいております。

東日本大震災 被災地支援

<< maruスタッフを募集します! | topics | 「Life Map -Draw the line-」開催 >>

topics
fpg.jpg sinsaibokin.jpg sanjotbana.jpg mailmaga.jpg
categories

【INORI】博多織×工房まる
archives

↑ Page Top